Explaining mechanics. Matchmaker [World of Tanks]
-- World of Tanks

-
まずはこいつを見てくれ。
こいつを、どう思う?
と言うわけで、マッチメイキングの仕組み。

いつものESRBレイティングについての表示。
T…対象年齢は13歳以上(13歳未満のプレイには、保護者の同意が必要)。
Mild Violence…どぎつくはないが、

やあ、みんな。Kirill Oreshkinだよ。
今日は、マッチメイキングの仕組みについて説明するよ。

マッチメイカーは、プレイヤーが"Battle(戦闘開始)"ボタンを押すと、チームを編成するように出来ている。
これには、いくつもの相反する条件を処理しなくてはならない。
その一方で、車両のクラスとTierとを揃える必要もある。
しかも、戦闘開始前に勝敗の結果を予測できない方が良い。
さらに重要な事が一点。プレイヤーが戦闘に入るまでの待ち時間を短くする必要があるのだ。

WoTのプレイヤーから、『マッチメイカーはどうやって各チームを編成しているの?』と良く訊かれる。
これから、それを説明するよ。

まず最初に、とても重要な事を。
マッチメイカーは、いくつかの要素を無視する。

各車両が属する国籍を無視する。

各車両に搭載されているモジュール(主砲、砲塔、エンジンなど)を無視する。

搭載されている装備品や

消耗品、

搭乗員の経験値レベル、

プレイヤースキルを無視する。
マッチメイカーは、以下の要素を考慮する。

車両の種別、
たいていの車両のTier、
車両の「バランスウェイト」。
また、小隊内のプレイヤースキルや車両のTierを無視した上で、小隊の数。

バランスウェイトは、キーとなる要素だ。

バランスウェイトを理解していなければ、マッチメイキングの仕組みを理解することは出来ない。
バランスウェイトは隠しパラメータであり、車両の説明には表示されない。

バランスウェイトは、車両Tierと車種ごとの乗率(以下、車種乗率)とで決定される。

LT、MT、TDは、車種乗率が同じ1。
HTとSPGとは、車種乗率が1.2となる。

IS-3を例にして、計算してみよう。

Tierウェイトは40。
車種乗率は1.2。
その結果、バランスウェイトは48となる。

しかし、一部の車両では、他の同じTierの車両とは異なる乗率が使用される。
そして、それらの車両のバランスウェイトは、チーム間の差を減らすために個別に計算される。
古くからある例では、偵察車両。

AMX 13-90を例にしてみよう。

LTの車種乗率は1で、基礎となるTierウェイトは40。
しかし、13-90はHTと同じ値という特異なバランスウェイトで計算される。

故に、バランスウェイトは48となる。

また、Tier9~10の全てのMT、HT、TD、SPGは、車種乗率が1.2に加算される事に注意して欲しい。

マッチメイカーは、各車両のクラス以外の違いを見ていない。

各車両がマッチングされる範囲などの詳細は、公式フォーラムに掲載されている。
ここからが本題だ。

プレイヤーが"Battle!(戦闘開始)"ボタンをクリックすると、車両が待機列に入る。

待機列は全部で36列あり、12のバトルTierに対して、各3列ある。
一つ目は、"Standard battle(通常戦闘)"。
二つ目は、"Encounter(遭遇戦)"。
三つ目は、"Assault(強襲戦)"。

待機列に入った車両は、戦闘レベルに合わせて各戦闘種別に分配される。

集められた各車両は、両チームに対して同時に振り分けられる。

マッチング作業のスピードアップを図るために、テンプレートが用意される。
例えば、マッチメイキングが開始された時。
ここでは、サーバの統計情報から、各車種におけるプレイヤーの平均数を利用する。

次の要素は、特に重要だ。

SPGの平均数と

偵察車両の平均数と、

小隊に属するプレイヤー数の平均だ。

これらの数値は、過去30分間のものが使用される。
30分の間で、チームに平均4両のHTが居たものと仮定しよう。

その車両は、テンプレートに必要とされるバランスウェイトの内、4つの枠に配属される。

同様の計算が、残った車種でも行われる。
こうして、チームのテンプレートが作成される。
これにより、待機列からどの車両を選択すれば良いかを、マッチメイカーは正確に把握でき、
結果としてプレイヤーの待機時間は短くなる。
マッチメイカーは戦闘に入った車両を常に監視しており、必要に応じてテンプレートを調整する。
ここで疑問が出てくる。最初の30分間でテンプレートが作成される前は、どうなるのか?
答えは簡単だ。

無しでやる。
もし待機車両にTDが大量に居た場合、8割がTDのチームを作成する可能性がある。

しかし、統計情報を得られるようになれば、マッチメイカーはバランスの取れたチームを作成出来るようになる。
次に、テンプレートを使用してチームを作成する手順を見てみよう。

最初にSPGが配属される。

1チームに配属されるSPGは最大で5両。

両チームでSPGの合計ウェイトの差は20%までとし、

その車両数の差は1両までとされる。

次に、偵察車両が配属される。

偵察車両の数の差は1両までとし、偵察車両の合計バランスウェイトの差も30%までとする。

この規則は、ValentineやAMX-40の様な遅い車両には適用されない。

残りの枠は、バランスウェイトが高い順に埋められる。

その上で、チームの最初の5行は同じTierでなくてはならない。

各チームのウェイト差は10%以内に調整される。
最後に、小隊。

各チームに配属される小隊を組むプレイヤーの総数を比較し、両チームの差は3を超えない。
小隊を組んでいた場合、戦闘レベルはどうなる?

これらの車両で小隊を組んだ場合で見てみよう。

小隊内の車両から、最もバランスウェイトが高い物を探す。

小隊は、この車両に合わせて配属される。

小隊に属する他の車両のバランスウェイトは、無視される。

これが、T-150とLeichttraktorとで小隊を組んでも低Tierの戦場に入れない理由だ。
チームが組み立てられると、マッチメイカーはバランスルールを再チェックし、

全ての条件を満たしていれば、そのチームは戦闘に送り出される。
送り出された車両は、全ての待機列から離脱し、他の車両が代わりに待機列に編入される。

チームが条件を満たしていなかった場合は、チームを解散させ、マッチメイカーはチームの組み直しに入る。
時に、待機列内に同種の車両が大量に居る事がある。

このような場合、マッチメイカーは待機状況が変化するまで、その車種のチームへの追加を停止する。
これは、該当の待機列が凍結されるだけであって、他の待機列には影響しない。
待機時間の長い車両が出た場合、マッチメイカーはより出撃しやすくする。

1分以上待っている車両があった場合、マッチングのルールが緩和される。

チーム間のバランスウェイト差の上限が20%まで緩和される。

空いている枠は、可能な範囲で最もバランスウェイトが近い車両で埋められる。
これが、

トップのHTや

偵察車両の数の異なるマッチが発生する要因である。

待機時間が2分を超えると、マッチメイカーは不完全なチームを作成する許可を与えられる。

両チームでの車両数は揃えられる。

5分が過ぎると、別の車両の選択を促すメッセージが表示され、車両がガレージに戻される。
まとめると、アンバランスなチーム編成は、主に待機時間が長くなったプレイヤーによって引き起こされるという事だ。

どういった状況で起こりやすくなるかというと、通常はサーバが起動した後の数分間、テストサーバ内、アップデート後、新規サーバークラスタの追加後、メンテナンス後である。

サーバのメンテナンス後は、そのようなマッチの件数は5%にまで増える。
しかし、オンライン数がピークの時間でも、バランスの問題が発生する可能性がある。

その多くは、イベントなどで多くのプレイヤーが同じ車両を使おうとする場合に発生する。

しかし、この種の戦闘は全戦闘に対して1%に抑えられており、これはマッチメイカーが機能していることを意味する。
チームの戦力がだいたい同じぐらいで、プレイヤーの待ち時間を短くする。
WoTのランダムバトルにおけるマッチングシステムは、日々改善されていが、平等性、多様性、(やってみるまで勝敗が判らない)不確実性という、目指している基礎原則は変わらない。
戦闘の勝敗は、プレイヤーたちのスキルと思考、戦場での予想外の事態に対応する能力によって決定される。

※当ページの誤訳等に起因して何らかの不利益を被ったとしても、当方は一切の責任を負いかねます。悪しからず。
※後日、公式ポータルにもマッチメーカーの仕組み等が掲載された。